決 議
リニア中央新幹線は、本県と関東、中部、近畿の各地域間の交流・連携を一層強化し、わが国の新たな国土の大動脈として、経済社会を支え、東海道新幹線との二重系化による災害に強い国土の形成、ゆとりある生活の実現に大きく貢献するとともに、内陸部における発展を促進する極めて重要な社会基盤である。
また、持続可能な地域の形成、エネルギー問題、環境問題においても、優れた特性をもつ大量高速輸送機関として期待されている。
国家的プロジェクトであるリニア中央新幹線は、平成23年5月に全国新幹線鉄道整備法に基づく整備計画の決定と建設の指示が出され、東京都・名古屋市間において環境影響評価の手続を経て、平成26年10月には工事実施計画が認可され着工へと至った。平成28年6月には、政府から名古屋・大阪間の早期開業への支援も表明され、リニア中央新幹線全線開通に向けた動きが加速化した。
こうしたことから、当地区においては、リニア中央新幹線が、諏訪地区をはじめ中南信地区の交通の利便性の向上、地域の発展に寄与するものとなるよう、早期整備に向けて関係諸団体との連携を図りながら下記の事項を柱に運動を進めていくものとする。
記
1 リニア中央新幹線の整備が、諏訪地区をはじめ中南信地区にとって最大の波及効果が得られるものとなるよう、JR東海は、県内外の中間駅へのアクセス等の観点から、地域の在来線である中央東線、飯田線の維持、利便性の向上等について、地域とともに取り組むこと。
2 国、県は、関係する交通事業者の参加のもと、総合的な交通体系を検討する場(長野県における中央新幹線整備を契機とした交通体系に関する検討会)での協議において、リニア中央新幹線の効果が地域に広く及ぶよう、高速道路や中央東線、飯田線等の在来線からの県内外の中間駅への円滑な接続とともに、各鉄道路線の高速化、利便性の向上等について検討すること。
また、JR東海及び関係交通事業者は、検討結果の実現に向けて対応すること。
3 県は、地域の意見のとりまとめ役を果たすとともに、国及びJR東海との調整に積極的に関与すること。
また、諏訪地域から山梨県駅へのアクセス機能の向上等について山梨県との連携、調整に積極的に務めること。
以上、決議する。
平成29年8月23日
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