○諏訪広域連合諏訪広域消防予防査察規程
平成29年3月30日
訓令第2号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 査察の計画及び執行(第3条―第20条)
第3章 資料提出等(第21条―第23条)
第4章 雑則(第24条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第4条及び第16条の5の規定に基づいて、行う査察に関し必要な事項を定めるものとする。
(1) 査察 立入検査、違反処理及び火災予防のための措置を含む行政作用をいう。
(2) 立入検査 法第4条又は法第16条の5の規定により消防対象物に立ち入り、その位置、構造、設置及び管理の状況並びに危険物の貯蔵及び取扱いについて検査し、又は質問を行い、火災予防上の不備欠陥事項等(以下「不備事項」という。)について関係者に指摘し、是正を促すことをいう。
(3) 査察対象物 査察を執行する必要のある消防対象物をいう。
(4) 指定査察対象物 査察対象物のうち消防長が指定するものをいう。
(5) 危険物製造所等 法第10条に定める危険物の製造所、貯蔵所及び取扱所をいう。
(6) 少量危険物貯蔵取扱所 危険物の規則に関する政令(昭和34年政令第306号)で定める数量(以下「指定数量」という)の5分の1以上指定数量未満の危険物を貯蔵し、又は取り扱う場所をいう。
(7) 指定可燃物貯蔵取扱所 諏訪広域連合火災予防条例(平成12年諏訪広域連合条例第31条。以下「条例」という。)別表第8で規定する数量以上の指定可燃物を貯蔵し、又は取り扱う場所をいう。
(8) 査察員 査察に従事する消防職員をいう。
第2章 査察の計画及び執行
(査察対象物の区分)
第3条 査察対象物の区分は、査察対象物区分に定めるとおりとする。
(査察の種類)
第4条 査察の種類は、次に掲げるとおりとする。
(1) 定期査察 年度査察計画に基づき定期的に行う査察をいう。
(2) 特別査察 消防長又は署長が特に必要があると認める査察対象物を指定して行う査察をいう。
(3) 緊急査察 社会的影響の大きい火災、危険物事故等が発生した際に消防長が必要と認めた場合に行うものとする。
(執行方針及び計画)
第5条 消防長は、重点施策、査察統計、火災傾向及び季節的条件等を考慮して、査察を効果的に実施するための方針(以下「執行方針」という。)を定めるものとする。
2 署長は、前項の執行方針に基づき、年度査察計画表を策定し、毎年4月30日までに消防長に報告するものとする。
3 特別査察については、その都度実施計画を立て消防長に報告しなければならない。
(査察の執行区分)
第6条 指定査察対象物に対する査察は、消防長が行うものとする。
2 査察対象物に対する査察は、当該査察対象物を管轄する署長が行うものとする。
3 消防長は、必要があると認めるときは、前項の査察の支援を行うものとする。
(査察員の指定)
第7条 消防長又は署長は、査察対象物の状況、違反内容等に応じ、査察に従事すべき職員を、あらかじめ査察員として指定するものとする。
(査察対象物の継続指導)
第8条 署長は、査察の結果、重大な不備又は欠陥が認められるものについては、当該不備事項又は欠陥が是正されるまでの間、継続して査察し、指導を行わなければならない。
(査察員の派遣)
第9条 署長は、必要があると認めるときは、消防長に査察員の派遣を要請することができる。
2 消防長は、前項の要請があり、必要と認めるときは、査察員を派遣するものとする。
3 前項の場合において、消防長は、特に必要があると認めるときは、他の署長に査察員の派遣を指示するものとする。
(査察事項)
第10条 査察は出火若しくは延焼の危険若しくは火災による人命の危険の排除又は消防法施行令(昭和36年政令第37号)第45条に規定する火災以外の災害による被害の軽減を主眼とし、査察対象物の状況に応じ、概ね次の各号に掲げるものの位置、構造、設備及び管理の状況について行うものとする。
(1) 建築物、その他の工作物
(2) 火気使用施設及び器具
(3) 電気関係施設及び器具
(4) 消防用設備等
(5) 危険物
(6) 指定可燃物
(7) ガス関係施設及び器具
(8) 放射性物質等関係施設
(9) 防炎処理の状況
(10) 防火・防災管理に係る消防計画、統括防火・防災管理に係る全体についての消防計画、自衛消防組織及び予防規程並びに消防訓練実施の状況
(11) 防火・防災管理者、統括防火・防災管理者、危険物取扱者、危険物保安監督者及び危険物保安員の業務遂行状況
(12) その他必要と認める事項
(査察執行上の心得)
第11条 査察員は、査察に当たっては、法第4条、及び第16条の5の規定によるほか、次に掲げる事項を守らなければならない。
(1) 態度を厳正にして言語、動作に注意し、関係者に不快な感じを与えないようにすること。
(2) 努めて査察対象物の関係者等責任のある者の立会いを求めて行うこと。
(3) 正当な理由がなく査察を拒み、妨げ、又は忌避する者があった場合は査察の目的を説示し、なお応じないときはその旨を上司に報告して指示を受けること。
(4) 査察終了後、その結果及び改善を要する事項を関係者に具体的に説明し指導すること。
(5) 常に関係法令を遵守し、査察に必要な知識の習得、査察能力の向上に努めること。
(6) 関係者の民事紛争に関与しないこと。
(事前準備)
第12条 査察員は、査察執行において、査察関係資料、防火管理業務の実態状況の確認等のため、関係者又はその代理人の立会いの必要があると認めるときは、事前に連絡を行うものとする。
(査察の実施)
第13条 査察は、査察対象物を単位として実施するものとする。ただし、特に必要があると認めるときは、その一部について査察することができる。
2 査察は、査察員2人1組として実施するものとする。ただし、査察対象物の状況又は査察の種類により人数を増加することができる。
(執行状況の報告)
第14条 署長は、査察の執行状況について、年間査察結果表に記入するとともに、定期に消防長に報告するものとする。
2 消防長は、特に必要があると認めるときは、署長に査察の執行状況について報告を求め、又は査察に関し必要な指示をするものとする。
(執行方針及び査察の執行体制の見直し)
第15条 消防長は、査察の執行状況を管理し、毎年度、執行方針及び査察の執行体制の見直しを行うものとする。
(査察結果の通知等)
第16条 査察員は、査察の結果査察対象物の位置、構造、設備及び管理の状況等に不備欠陥事項を認めたときは、関係者に立入検査結果通知書を交付するものとする。
2 査察員は、査察を実施したときは、立入検査結果報告書を作成し、保管しておくものとする。
(査察結果の報告及び記録)
第17条 査察員は、査察を実施したときは、その結果を署長に報告するとともに査察台帳に記録しなければならない。
(特異事項等の報告)
第18条 署長は、査察に関し重要又は特異な事項があったときは、速やかに消防長に報告しなければならない。
(改修・改善(計画)報告書の提出)
第19条 消防長又は署長は、査察対象物に法令違反の事実又は火災危険等があることを確認したときは、提出期限を定めて、権原を有する者に改修・改善(計画)報告書の提出を求めるものとする。ただし、口頭による是正指導により、直ちに法令違反が是正され、又は火災危険等が排除された場合は、この限りでない。
2 前項の規定に基づく報告書の提出期限は原則として、立入検査結果通知書を関係者が受領した日から起算して14日以内に提出させるものとする。
(違反処理への移行)
第20条 消防長又は署長は、次に掲げる場合には、諏訪広域連合火災予防違反処理規程(平成12年諏訪広域連合訓令第19号)に定めるところにより、違反処理を行うものとする。ただし、違反処理を一定期間留保すべき特段の事情があると認める場合であって、防火対象物の位置、構造、設備又は管理の状況から判断して、直ちに違反処理を行わなくとも、当該期間において、火災の発生又は延焼のおそれが著しく少なく、かつ、火災等の災害による被害を最小限度に止めることができると認めるときは、この限りでない。
(2) 前条の規定により提出された報告書の内容に不備があり、かつ、期限を定めて当該報告書の是正を指導したにもかかわらず、当該期限を過ぎても当該報告書の提出を求められた者がこれに応じない場合
(3) 前条の規定により提出された報告書に記載された履行期限までに法令違反の是正又火災危険等の排除が完了していないと認められる場合
(4) 法令違反の事実又は火災危険等があることが明白で、かつ、直ちに違反処理の措置を行う必要があると認める場合
第3章 資料提出等
(資料の任意提出)
第21条 査察に際し、資料を提出させる必要がある場合は、関係者に任意の提出を求めるものとする。
(資料提出命令)
第22条 消防長又は署長は、前条の規定により難い場合は、法第4条第1項又は法第16条の5第1項の規定に基づき資料提出命令書により提出させるものとする。
3 第1項に規定する資料提出書により提出者が所有権を放棄しなかったときは、提出者に提出資料保管書を交付するものとする。
4 前項に規定するところにより提出資料保管書を交付した資料で保管の必要がなくなったときは、提出保資料保管書と引換えに提出者にこれを還付するものとする。
第4章 雑則
(委任)
第24条 この規程の施行に関し必要な事項及び帳票は、別に定める。
附則
この訓令は平成29年4月1日から施行する。