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令和8年度 諏訪広域防災講演会を開催しました
雨が降る前に知っておきたいこと
~平成18年7月豪雨から20年、諏訪地域の土砂災害とこれからの備え~
令和8年5月24日、岡谷市文化会館カノラホールにて「令和8年度諏訪広域防災講演会」を開催しました。平成18年7月豪雨災害から20年という節目を迎え、当時の記憶を風化させず、科学的知見と地域の経験を融合させた次世代への防災継承を目的に実施しました。
基調講演:歴史と科学から読み解く「諏訪地域の災害」
・「諏訪地域の災害伝承」/ 笹本 正治 氏(信州大学名誉教授/長野県立歴史館参与)
文明14年(1482年)の大水害、守屋山の伝説、安国寺の洪水被害など、戦国時代から現代に至る地域の文献や伝承を紐解き、諏訪は決して災害が少ない場所ではないことを明示されました。地域の足元に眠る災害の記憶を掘り起こし、それらと向き合う感性を養うことの必要性を説かれました。また、地域の記憶を次世代へ継承する重要性を強調されました。
・「諏訪地方の豪雨と土砂災害~平成18年7月・昭和58年9月豪雨災害から~」/ 牧野 裕至 氏(環境学博士/元国土交通省砂防部長)
平成18年7月豪雨等のデータを最新の気象モデルを用いて科学的に分析。土砂災害の直接原因は「物理的局所性」に基づく地形と水蒸気のメカニズムにあるとし、技術の進歩を防災現場の判断にどう活かすべきかを論じられました。
パネルディスカッション
「諏訪湖周辺の過去の土砂災害・水害の紹介
災害伝承や地域での防災の取組について」
- 当時の教訓と体験の継承
- 被災経験者からは、土石流発生時の「音」や「異臭」といった皮膚感覚の重要性が語られました。
- 災害を「他人事」と考えず、地域が抱える潜在的なリスクを事前に知ることの重要性が指摘されました。
- 地域防災の最前線
- 自主防災組織の代表より、大規模な防災訓練の実践や、個人情報という課題を抱えつつも、いざという時の助け合いに必要な「要支援者情報の共有」の必要性が提言されました。
- 科学と地域力の融合
- 信州大学の取組である「昭和東南海地震 諏訪地域災害アーカイブ」が紹介され、体験者の証言をデジタルデータとして次世代に残し、学習に活用する重要性が共有されました。
パネリストからの提言(まとめ)
議論を通じて、以下の3点が「これからの諏訪地域の備え」として再確認されました。
- 「五感」による防災:気象データだけでなく、身近な変化(音、匂い、空の色など)に気づく感性を養うこと。
- 多様な主体の参画:男性中心の防災になりがちな現状を見直し、女性や子どもたちが主体的に考え、動ける環境づくりを行うこと。
- 「災害の向こうにある文化」の理解:災害と隣り合わせの場所だからこそ得られる豊かな自然や文化を理解した上で、適切に備える「賢い付き合い方」を醸成すること。
本講演会を通じて、諏訪地域における防災の「記憶(歴史)」と「知恵(科学)」、そして「絆(地域活動)」が一体となった新たな防災の方向性が示されました。また、「災害は忘れた頃にやってくる」のではなく、「災害は常に身近にある」という認識のもと、地域全体で支え合う文化の醸成が提言されました。
諏訪広域連合では、今後も地域の防災力向上に向け、関係機関と連携しながら取組を進めてまいります。


令和8年度防災講演会チラシ [PDFファイル/7.63MB]
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